終活・相続の羅針盤

身元保証サービスについて

高齢者の一人暮らしや、頼れる親族が近くにいない場合、入院時や介護施設への入居時、賃貸住宅の契約時などに「身元保証人」を求められることがあります。家族や親族に頼めない場合に備え、「身元保証サービス」の利用を検討する方も増えています。

身元保証サービスとは?

民間企業やNPO法人などが提供するサービスで、契約に基づき、以下のような役割の一部または全部を代行します。

  • 入院・入居時の身元保証(連帯保証を含む場合も)
  • 緊急連絡先としての対応
  • (オプションや別契約で)日常的な見守り、財産管理、死後事務(葬儀、納骨、行政手続き、遺品整理など)

サービスの選び方・注意点

  • 信頼性:運営母体の安定性、実績、評判を確認する。複数のサービスを比較検討する。
  • サービス範囲:どこまでの範囲を保証・代行してくれるのか、契約内容を詳細に確認する。死後事務まで依頼する場合は、その範囲と費用も明確に。
  • 費用体系:入会金、保証料、月額/年会費、預託金(預けるお金)、死後事務の実費など、費用の総額と内訳を正確に把握する。追加費用が発生するケースも確認。
  • 契約内容:契約期間、解約条件、返金規定などをしっかり理解する。契約書は必ず保管する。
  • 相談体制:契約前に十分な説明を受け、疑問点を解消できるか。担当者との相性も考慮。

注意!

身元保証サービスは公的な制度ではなく、事業者によって内容や質が異なります。高額な契約を迫られたり、説明が不十分なまま契約してしまったりするトラブルも報告されています。契約は慎重に、納得できるまで説明を求めましょう。 不安な場合は、消費生活センターや弁護士などの専門家に相談することも有効です。

ペットの終活(もしもの時の備え)

大切な家族の一員であるペット。ご自身にもしものことがあった場合、ペットが安心して暮らせるように、事前に準備をしておくことも飼い主の責任です。

準備しておくこと

  • 信頼できる預け先を決める:ペットの世話を引き継いでくれる人(家族、親戚、友人など)を探し、必ず事前に相手の同意を得ておきましょう。 難しい場合は、第二候補も考えておくと安心です。
  • ペットの情報をまとめる:種類、名前、年齢、性格、健康状態(既往歴、アレルギー、常用薬)、かかりつけの動物病院、食事の内容や量、好きなこと・嫌いなこと、散歩の習慣などを詳しく記録しておきます。
  • 飼育費用を準備する:ペットが生涯を終えるまでにかかるであろう費用(食費、医療費、トリミング代など)を試算し、その資金を準備する方法を考えます(預貯金、保険、信託など)。遺言書にペットの世話と費用について記載することも有効です(ただし、ペット自身は相続財産ではありません)。
  • 預け先が見つからない場合:動物保護団体や、老犬・老猫ホームなどの専門施設への受け入れを検討しますが、条件や費用、受け入れ枠などを事前に調べておく必要があります。
  • エンディングノートに記載:上記の準備内容(預け先の氏名・連絡先、ペットの情報、費用の準備状況など)をエンディングノートに詳しく記載し、その存在を預け先候補の人にも伝えておきましょう。→ エンディングノートについて

重要書類の整理と保管場所

終活の様々な場面で触れられますが、重要書類がどこにあるかを明確にしておくことは非常に重要です。

主な重要書類

  • 実印・印鑑登録証
  • 年金手帳・基礎年金番号通知書
  • 健康保険証・介護保険証・後期高齢者医療被保険者証
  • 預貯金通帳・キャッシュカード・証券口座関連書類
  • 不動産権利証(登記識別情報通知)・登記簿謄本
  • 生命保険証券・損害保険証券
  • 遺言書(作成している場合)
  • パスポート・運転免許証
  • 公共料金・ローン・その他契約書類

保管と共有

これらの書類を一箇所にまとめて保管し(ファイルボックスなどで分類すると良い)、その保管場所を信頼できる家族や、エンディングノートを通じて伝わるようにしておきましょう。貸金庫などを利用している場合も、その場所と開け方を伝えておく必要があります。

緊急連絡先リスト

ご自身に何かあった時に、すぐに連絡を取ってほしい人のリストを作成しておきましょう。

  • 家族・親戚(氏名、続柄、電話番号、住所)
  • 親しい友人・知人
  • かかりつけ医・入院/入居中の施設
  • (必要に応じて)弁護士、税理士、ケアマネージャーなど
  • (任意)勤務先、所属団体など

このリストもエンディングノートに記載するか、別途作成して分かりやすい場所に保管し、家族などに場所を伝えておきましょう。

その他の契約など

上記以外にも、以下のような点で使用状況を確認し、不要であれば解約などを検討しましょう。

  • 利用頻度の低いクレジットカード
  • あまり使っていない銀行口座
  • 各種会員権(スポーツクラブ、レジャー施設など)
  • 定期購読している新聞・雑誌
  • レンタル倉庫・トランクルームの契約

細やかな準備が、未来の安心に

一見些細に思える準備も、積み重なれば大きな安心につながります。
ご自身の状況に合わせて、必要な項目をチェックし、できることから準備を進めましょう。

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